【マーケティング④】ポジショニングで優位性を発揮せよ

ポジショニングとは?

今回はマーケティングを理解するうえで重要な「ポジショニング」について解説させていただきます。

ポジショニングとは、市場において自分の優位性をどのように発揮し、戦っていくかというコンセプトを決めることを指します。このコンセプトが定まらなければ、商品・サービスの内容がフワフワとしたものになり、誰にでも当てはまってしまう商品・サービス、言い換えれば誰にも深く刺さらない商品・サービスが生まれてしまいます。

ポジショニングをマスターし、競合とは異なる、顧客にとって唯一無二で魅力的な商品・サービスを検討できるようになりましょう。

ポジショニングマップ

それでは、どのようにして競合と差別化し、自分の優位性を発揮していけば良いのでしょうか?

ここでよく使われるのがポジショニングマップという考え方です。これは自社の商品・サービスが訴求したいポイントを2軸にとって、そのうえで自社・競合をマッピングし、自社が競合と差別され、優位性が発揮できることを確認するために使用します。

例えば、雑貨などを販売している無印良品の事例を考えてみると、同社の商品は非常にシンプルであり洗練されたイメージがあります。そのうえで、価格も比較的高めに設定されています。

これをポジショニングマップで考えてみると、シンプルさと機能性、そして高価格と低価格に分類することができ、ダイソーなどの競合は低価格の領域に、ロフトや東急ハンズなどは高価格かつ機能性を重視した領域にマッピングされるため、シンプルかつ高価格を押し出す無印良品は競合との競争を避け、新しい価値を提供できていることが分かります。

このようにポジショニングマップを用いることで、競合がどのような価値を提供しているのか、自分がどのような価値を提供すべきなのかが一目でわかるため、ポジショニングを検討する際には必須の考え方ということができるでしょう。

良いポジショニングとは?

さて、ここまででポジショニングについてよく理解できたと思います。さらに理解を深めるために、「良いポジショニングとは何か?」について考えてみましょう。

良いポジショニングの条件は、ポジショニングマップで採用する軸が、顧客・競合・自社の3つの視点で考えられているということです。

まずは顧客についてです。市場で受け入れられる商品・サービスを導き出すためには、独りよがりの発想ではいけません。必ずインタビューなどの市場調査を行い、顧客が求めているものを理解しましょう。そのうえで、顧客が求めているものを表現できるような軸を、ポジショニングマップで採用する必要があります。

競合について考える必要があることも言うまでもありません。いくら顧客が求めていようとも、その市場が競合ひしめくレッドオーシャンであれば、勝負しても勝てる見込みは薄いでしょう。競合としっかり差別化できるような軸を選んでポジショニングマップを作成する必要があります。

自社についても、軸選びでしっかりと考慮する必要があります。自分の強みを活かせるのはどのようなところか、反対に弱みをカバーするためにはどうすればよいかといった発想が重要になります。

こうした顧客・競合・自社の観点をポジショニングマップの軸に盛り込むことで、筋のよいポジションを見つけることができます。一度で成功するようなものではないため、根気強く、何度も繰り返して試行錯誤してみましょう!

マーケティング全体における位置付け

最後に、ポジショニングという取組を、マーケティング活動全体の視点から簡単に触れておきましょう。

マーケティング活動は、まずは顧客・市場のCustomer、競合のCompetitor、自社のCompanyといういわゆる3Cの観点で環境分析を行って事業機会を見極め、その後はセグメンテーション/ターゲティングで狙うべき市場セグメントを決定し、そして今回学んだテーマでもある、そのセグメントにおいて自社の優位性をどのように発揮して戦っていくかというポジショニングを行い、最後に商品のProduct、価格のPrice、流通経路のPlace、宣伝方法のPromotionという4Pの観点から事業内容を具体化していきます。

今回はポジショニングに絞ったお話しでしたが、その前後の流れについてもしっかりと理解しておくことが必要です。詳細を知りたい方は、ぜひ別の記事をご覧いただき、学びを深めてみてください。

まとめ

さて、ポジショニングについて理解できたでしょうか? 知識を定着させるためにも、最後に全体を振り返っていきます!

  • ポジショニングとは、市場において自社の優位性をどのように発揮し、戦っていくかというコンセプトを決めることを指します。
  • ポジショニングを行う際にはポジショニングマップを使用しますが、これは自社の商品・サービスが訴求したいポイントを2軸にとって、そのうえで自社・競合をマッピングし、自社が競合と差別されて優位性が発揮できるか否かを確認するためのツールです。
  • ポジショニングマップで使用する軸は何でもよいわけではなく、顧客・競合・自社の3つの視点で考えられていることが重要でした。
  • マーケティング活動では、顧客・市場、競合、自社という3Cの観点から環境分析を行い、その後に狙うべき市場を見極めるセグメンテーション/ターゲティング、そして自社の優位性の発揮方法を考えるポジショニング、最後に商品・価格・流通経路・宣伝方法という4Pの観点からより綿密な事業内容を作り上げいきます。

ポジショニングは、競合との差別化ポイントを理解し、自社の優位性を顧客に訴求していくための重要な考え方です。ぜひ何度も実践しながら、身に付けるようにしてください!

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